朝日連峰登山の確認事項

朝日連峰登山に際して、知っておくべき確認事項を挙げておきます。朝日連峰ならではの事項もありますので、ご注意ください。


  • 朝日連峰全体を通して幕営禁止となっています。
  • 朝日連峰は磐梯朝日国立公園に位置し、特に中心部は特別保護区にも指定されています。貴重な自然の保全のため、山野草の採取やゴミ捨てなどは絶対に行わないようにしましょう。
  • ブナの原生林が広大に残る自然の宝庫です。当然虫もたくさんいます。初夏から秋は蚊やブヨ、盛夏にはアブが大量に出ることもあります。虫よけスプレーや防護ネットなどの対策をしっかりと準備することをお勧めします。
  • 東北の山で2000m近い標高ではありますが、夏は非常に暑くなりますここ数年は温暖化の影響もあってか9月中旬くらいまで暑いです。朝日鉱泉付近では日中は30℃近くまで上がります。そのためか最近は熱中症、脱水症状を発症する人が増えています。山頂付近の尾根上では日陰もなく、風がない日には本当に暑いです。しっかりとした暑さ対策、水分補給が必要です。
  • 山頂部の小屋はすべて避難小屋となっており宿泊予約はできませんが誰でも泊まれます。営業小屋はありません。寝具、食糧すべて持参する必要があります。また管理協力費は¥2000/泊・人です。避難小屋にもよりますが、管理人は夏から秋のハイシーズン時や秋の連休時は滞在していますがそれ以外は無人です(ハイシーズン時でも不在の場合もあります)。避難小屋は一年中開放され利用可能です。
  • 携帯電話は谷沿いはつながりませんが、尾根上まで出ると使える場合が多いです。機種によりますが、docomoなどは尾根上ではよくつながります。
  • 全体的に道標の少ない山です。事前によくルート等確認しましょう。
  • 豪雪地域でもあり、冬山または積雪期(早春、晩秋)は大変危険です。十分な経験と装備が必要です。ご注意ください。積雪状況にもよりますが、7月初旬まで軽アイゼンやストックが必要な場合が多いです。
  • 直登の中ツル尾根コースは沢沿いを進むルートです。安全のため、ヘルメットの着用を推奨します。
  • 朝日鉱泉のすぐ奥には一般車が10台程度駐車できるスペースがあります。トイレはありません。朝日鉱泉トイレ(玄関に入ってすぐ右にあります。靴を脱がなくても利用できます)を利用してください。
  • 朝日鉱泉では、ペットボトルの飲み物や行動食、軽食等は販売しておりません。
  • 登山者カードは記入済みの場合には玄関左のポストへ、または玄関に入ってすぐ右に記入帳を設置していますのでご利用ください。
  • YAMAPなどのGPS機能付きの登山アプリは事前に電波の届くところでアプリを起動し、GPS機能を稼働させておかないと朝日鉱泉など電波の届かないところではアプリが起動しませんのでご注意ください。朝日鉱泉の玄関では無料WiFiが使えます。(パスワード:asahi1975)万一起動忘れの場合には利用ください。

【春~初夏(梅雨前)までの留意点】

  • 遅ければ7月上旬ころまで残雪が残っています。軽アイゼン、ストックなどの準備が必要です。水場も雪に埋もれ出ていない場合もあります。
  • もっとも日が長く、朝晩は冷える(気温一桁)こともありますが、日中は登山に適した気温になることが多いです。山頂小屋で夜を過ごす場合には寝袋(3シーズン用)とフリースや薄いダウンなど多少の防寒対策があると快適です
  • ブヨやメマトイ、ハエなどの虫が登山中は結構います。気になる方は虫よけスプレーや防虫ネットがあると便利です

【夏(7月末の梅雨明け~8月末くらい)の留意点】

  • ここ数年、梅雨末期の大雨が非常に多くなっています。この時期(7月中下旬)は非常に天気も不安定ですので、十分注意してください。
  • 最近は気候変動の影響もあってか、梅雨明け後は非常に暑くなる年が多いです。朝日連峰は標高2000mに届かない山です。東北ではありますが南部に位置しており、本当に暑くなります。朝日鉱泉付近(標高550m)では日中は30度を越えるような日もあり、夜でも気温があまり下がらず、午前中から暑くなります。極力早朝(4時半前後)から行動を開始することをお勧めします。
  • 梅雨明け後の8月初旬~8/15お盆すぎくらいまでは、朝日連峰迷物のアブ(イヨシロオビアブ)が、朝日川近くのルートでは大量発生します。集団でしつこくまとわりつき、嚙まれるとチクっと痛み、その後かゆみを伴い、腫れてきます。毒はありません。対策としては肌を露出しない、防虫ネットをかぶる、市販の虫よけスプレーはほとんど効きません。ハッカ油のスプレーは多少効果があります。また最近市販され出した成分高濃度、高配合の虫よけスプレーも多少効果があるようです。車の排気ガスにも集まる習性があるので、駐車場でも注意が必要です。窓を開けない、着いたらすぐエンジンを切り、しばらく車の中で待機していなくなるのを待つなどの対応を。

【秋(9月下旬~10月下旬くらい)の留意点】

  • 朝日連峰の紅葉は、早い年は9月25日頃から始り、山頂部から徐々に下り朝日鉱泉付近は10月の下旬に色づきます。
  • 近年は暑すぎる夏を避けて、秋の紅葉の時期の登山者が非常に多くなっており、10月前半の週末などは非常に混み合うことが多くなっています
  • 日ごとに日が短くなっていき、日照時間が少なくなりますので、特に午後は早め早めの行動が必要です。10月に入ると午後4時過ぎでかなり日が傾きます。
  • 朝晩はグッと冷え込むようになります。10月に入ると山頂部では0℃前後まで下がることもあり、朝日連峰では10月10日頃初雪が降ると言われています。気候変動の影響か、10月下旬でも暖かい日が多くなってきてはいますが、いつ雪が降ってもおかしくありませんので、十分な注意が必要です
  • 場所によっては水場が枯れている箇所もありますので、事前に情報収集をしておく必要があります