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6.17登山道ルートチェック、のはずが…

6/16梅雨入りも時間の問題となる時期に入り、天候が安定しない中ではありましたが、日中は晴れそうという予報を信じ、中ツルルートでの登山道チェックに登頂しました。

 前半の朝日鉱泉~2合目「出合」までの渓谷沿いの登山道は、春先から何度も登山道整備に入っているため問題ありません。

▲サラサドウダンツツジが見頃(赤が濃いのでベニサラサか?)
▲サラサドウダンツツジが見頃(赤が濃いのでベニサラサか?)

2~6合目の樹林帯も多少の倒木はありましたが大きな問題はありません。4合目の長命水は登山道から崖を下っていくのですが、水は出てはいるものの水量は少なく、結構な距離(2分程度)を下らなければいけませんので、あまりお勧めしません。緊急用です。

 4合目以降もキツイ登りではあるものの、ぐんぐん標高を稼ぎ、6合目付近で稜線に出て一気に視界が開けると思いきや…、すでにガスが出始めて視界が良くありません。まだ朝の7時過ぎだというのに…。ただ、ガスの切れ間から美しい青空も見え、まだ上空は良い天気であることがわかりました。

▲ヒナウスユキソウが咲き始めています
▲ヒナウスユキソウが咲き始めています
▲イワカガミとヒナウスユキソウ
▲イワカガミとヒナウスユキソウ

▲8合目先から望む偽ピーク(右)と山頂(中央)
▲8合目先から望む偽ピーク(右)と山頂(中央)

 8合目あたりからはガスも大して濃くはなく、春~初夏の高山植物をみることができます。ショウジョウバカマ、ハクサンイチゲ、マイズルソウ…まだヒメサユリは見ることができませんでしたが、これから「花の登山道」ともいわれる中ツル尾根上部での花のシーズンが本格的に始まります。

 そんな高山植物を楽しみながら8合目と9合目の間あたりまで来ると、登山道に残雪らしき白いものが残っています。このあたりの登山道は日当たりもよく、いつも早くに雪が解けるのに珍しいなぁと思って近づいてみると…、なんと前日に降ったであろう「雹(ひょう)」の固まりです!しかも触ってみると直径1~1.5cm程度の大粒のものです。残っているところには厚さにして10cm程度積もっています。


 そういえば、前日はふもとの町でも雷雨の際に雹が降ったということを娘から聞いていたことを思い出し、大朝日岳の山頂付近でもかなりの量が降ったことを知りました。雹を踏みながら山頂に到着しましたが、ギリギリ展望も良く、残雪と深緑のコントラストを楽しむことができました。…が10分もしないうちにガスがどんどん上がってきて、山腹は真っ白になってしまいました。

▲登頂直後は美しい残雪と山々が見えました。
▲登頂直後は美しい残雪と山々が見えました。
▲稜線をなめる様にガスが上がってくる
▲稜線をなめる様にガスが上がってくる
▲すぐに下からどんどんガスが湧いてくる
▲すぐに下からどんどんガスが湧いてくる
▲あっという間に視界が悪くなる
▲あっという間に視界が悪くなる


 さらに白かったガスの色が徐々に灰色になり出し、どんどん濃くなって来ているのが見えます。先ほどの雹や昨日の雷雨を思い出し、これはすぐに降りたほうが良いと判断し、本当は鳥原山ルートをチェックしながら降りる予定でしたが、諦めて中ツル尾根を慌てて樹林帯まで下りました。4合目あたりまで下ったところで雷鳴がなり出し、あとは雷に追われながらなんとか雨にも降られずに帰着することができました。

 本来積乱雲が発達しやすいのは気温の上昇が大きい夏場だと思われますが、最近はこの時期でも気温の急な上昇や大気の不安定な状況になりやすい傾向にあり、天気の急変が起こり得ますので、十分な注意が必要です。

 中ツル尾根ルートでは、雪を踏む箇所は全くなく、夏装備での登山が可能です。

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コメント: 2
  • #1

    ターキー (土曜日, 19 6月 2021 17:50)

    中ツルの状況、参考になります。ありがとうございます。とても好きなコースです。

  • #2

    管理者 (月曜日, 21 6月 2021 09:36)

    ターキーさん
    コメントありがとうございます。中ツルコースは健脚向けのルートではありますが、前半の沢沿いの登山道では巨木や滝などの見どころもあり、花の時期などは稜線上では多種多様な高山植物を楽しめ、かつグングン高度をあげることで見える景色もどんどん変わる楽しみがありますね。またぜひ登ってみてください!