登りは直登の中ツル尾根ルート、下りは小朝日岳・鳥原山経由でのルートをチェックしました。
中ツル尾根ルートは、朝日鉱泉から2合目「出合」までの間の道は、登山道整備も行っているため、問題はありません。雨も少なく、雪解けの水もほとんど入らなくなったため、途中の沢の水量も少なく渡るのも問題ありません。2合目からの登りでも、森林限界の6号目あたりまでも新しい倒木もなく、問題ありません。ただ、4合目「長命水」は出てはいるものの、倒木があります。登山道からも外れるため、緊急用にするのが良いでしょう。やはり2合目手前の「階段状の橋」(昨年破損)のたもとでかんたんに汲むことができますので、そちらをお勧めします。
6合目の森林限界を過ぎてからは一気に視界が開け、残雪と新緑のコントラストが素晴らしい稜線(平岩・御影森方面と小朝日岳・鳥原山方面)を両側に見ながら眺めながら登ることができます。さらに7号目あたりからは高山植物が出始め、イワカガミ、マイズルソウ、コメバツガザクラ、ミヤマキンバイ、チングルマ、ヒナウスユキソウ…、そこかしこで咲き出しており、上を見ても下を見ても素晴らしい眺めに疲れが吹き飛びます。これから8月上旬までは中ツル尾根の上部は最高のお花畑となります。結局山頂まではほんの一瞬雪を踏みましたが、何の問題もなく、中ツル尾根ルートでは雪の心配はありません。
山頂での眺めはご覧の通りで、やはり雪の残るこの時期は最高です。堪能しました。
下りは、小朝日岳・鳥原山回りでおります。大朝日岳避難小屋にはまだ管理人は入っていませんが、今週末の朝日連峰夏山開きからは入るようです。ただしばらくは週末のみが多くなると思われます。気持ちの良い稜線歩きをしばらくして、いつも7月上旬まで雪の残る銀玉水の水場前の雪渓にさしかかります。ここはやはりまだたっぷりの雪で覆われています。ただ雪はかなり柔らかいですので、下りであればストックさえあれば、軽く滑りながら楽しく下れます。逆に登りの場合には、キックステップが使えますのでアイゼン無しで登ることもできますが、柔らかい分ズルっと滑りやすいので、軽アイゼン(4~6本爪で十分です)を付けた方がストレスなく登れると思います。ただし、上り下りとも視界が良ければ問題ありませんが、視界不良の際には谷など誤った方向に行かないように注意してください。
小朝日岳山頂からの眺めは言うまでもなく最高です。
小朝日岳から鳥原山方面では、こちらも遅くまで残る残雪があります。ただ、全体的に危ないと思われる個所はあまりなく、鳥原山へ向かう下りでは軽アイゼン無し、ダブルストックで問題ないと思います。登りの場合には、登りやすさを考えれば軽アイゼン装着がベストです。途中途中で夏道が出ていますので、見落とさずあまり道を外れないようにした方が良いです。
鳥原山展望台は抜群の展望でシャッターを押す手が止まりません。山頂からはいつもより多い残雪を下り木道へでます。ほどなくして美しい池塘を過ぎれば鳥原小屋との分岐です。水場はしっかり出ていて、ずっと給水場がないので非常にありがたいです。あとは朝日鉱泉までは雪は無く、夏道を下ることができます。
全体的に冬に降った雪の量に比べると4月の低温・降雪の影響もあってか残雪量が多いですが、意外に危険と思われる個所はほとんどなく、対策としては軽アイゼン+ダブルストックで十分と判断しています。今週末には「朝日連峰夏山開き」が執り行われ、いよいよ登山シーズンの幕開けとなります。
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半田 康 (日曜日, 16 6月 2019 11:08)
・今年夏、大朝日岳を目指す予定。大変、参考になりました。
管理者 (水曜日, 19 6月 2019 21:23)
ありがとうございます。ぜひ登頂にいらして下さい!
主峰からの景色も当然ですが、稜線上のお花畑も本当に美しく、楽しんでいただけます。
堀 弘明 (月曜日, 12 8月 2019 13:46)
明日、島原小屋経由で朝日岳山頂を目指したいと思います。登山ルートを見て、山のイメージがわいてきました。大変参考になりました。
管理者 (土曜日, 17 8月 2019 08:01)
コメントありがとうございます。夏真っ盛りで、なかなか様子を見に行けず、もどかしく思っております。少し落ち着いたらまた、様子を見に行きたいと思います。