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春の大朝日岳登頂記録

 雲一つない快晴の4/29朝5時、朝日を浴びて赤く染まる大朝日岳を見ながら、その山の頂を目指しました。

 雪が一番早く融ける中ツル尾根からの登頂がベストと判断し、まずは2合目出合いまで。4回渡るつり橋は、どれもまだ中板が外れた状態なので注意が必要です。高いところが苦手な人はかなり怖いかも。また、いつも大きな雪崩が遅くまで残るマス止めの滝は、大きな(高さ7,8m)の雪崩がついており、今はその上を歩いて行くことになります。雪はところどころ残っていますが、出合までは夏道をほぼ歩くことができます。ただ、登山道の整備をまだしていないため、毎年崩れる箇所や道が細くなっている箇所が結構あります。

 2合目出合からは急登になりますが、3合目を過ぎた途中までは夏道で歩けます。そこからは雪渓歩きとなり、急な登りが多いためアイゼンの装着が必要となります。6合目途中までは雪の上を歩き、それ以後は山頂まで夏道を歩けます。

遠くにブナの若芽を食べるツキノワグマの姿が!動物たちも春を待ちわびていたのでしょうね。
遠くにブナの若芽を食べるツキノワグマの姿が!動物たちも春を待ちわびていたのでしょうね。
4合目長命水の看板はかろうじて雪が融けた木の根元に見えました。
4合目長命水の看板はかろうじて雪が融けた木の根元に見えました。
6合目付近から9合目偽ピークを望む。
6合目付近から9合目偽ピークを望む。

山頂着!快晴で眺めはバッチリですが強風で長居できませんでした。
山頂着!快晴で眺めはバッチリですが強風で長居できませんでした。
朝日連峰縦走の主脈
朝日連峰縦走の主脈
中央に飯豊連峰。手前が平岩山
中央に飯豊連峰。手前が平岩山

山頂からの眺めは言うまでもありませんでしたが、風が強く、あまり長居できません。他にも単独の方1名、3名パーティの方がちょうど同じ頃山頂へ上がってきました。どちらも日暮沢小屋から登頂してきたとのことでした。

 しばし休憩ののち、帰りは平岩山、御影森山コースで下山。山頂から見た感じでは御影森山までの大部分は夏道が出ているようでしたがはたして…。

平岩山を過ぎ、御影森山との間。左奥に見えるのが祝瓶山の尖峰。
平岩山を過ぎ、御影森山との間。左奥に見えるのが祝瓶山の尖峰。
途中で少し雪渓上あるきますが、雪庇ではないため安全で爽快!
途中で少し雪渓上あるきますが、雪庇ではないため安全で爽快!
こちらのルートで右を向くととにかく目に入るのが祝瓶山の尖峰。東北のマッターホルンと言われるのがうなずけるほど美しい!
こちらのルートで右を向くととにかく目に入るのが祝瓶山の尖峰。東北のマッターホルンと言われるのがうなずけるほど美しい!

平岩山から御影森山までの間は振り返れば大朝日岳や小朝日岳が一望でき、言葉を失います。御影森山山頂からの眺めも素晴らしい。
平岩山から御影森山までの間は振り返れば大朝日岳や小朝日岳が一望でき、言葉を失います。御影森山山頂からの眺めも素晴らしい。
眼下に広がるのがブナの森、その奥が上倉山。
眼下に広がるのがブナの森、その奥が上倉山。

 平岩山から御影森山山頂までは例年ではまだ雪がありますが、今年は夏道が出ており、普通に歩くことができました。御影森山山頂からの下りはすぐに雪渓歩きとなるためアイゼンの装着が必要でした。この下りがいつもであれば、雪庇が大きくせり出し非常に危ないのですが、今年はだいぶ小さくなっており、端まで行かなければ問題ありませんでした。

 30分ほど下ると、下ってきた尾根自体は左の谷(朝日川方向)の方へ続き、行きたくなりますが、これを進んでしまうとアウト。尾根から外れ、正面眼下に広がるブナの森(上写真)へ雪庇から急な下りを下りて行かなければなりません。ここはわかりずらい。ただしばらく下ると緩やかになり広大なブナの巨木の森に入ります。

大朝日岳がはるか彼方に。
大朝日岳がはるか彼方に。
ブナの巨木がゴロゴロあり、圧倒される。
ブナの巨木がゴロゴロあり、圧倒される。

この時期だけはブナの巨樹の森を自由に歩けて爽快!ただし、どこでも行けてしまうので迷わないように注意が必要。
この時期だけはブナの巨樹の森を自由に歩けて爽快!ただし、どこでも行けてしまうので迷わないように注意が必要。

 この御影森山の麓から上倉山までの間のブナの森は本当に素晴らしいです。雪がある今は自由に散策できるので、たくさんのブナの巨木にふれあうことができます。上倉山山頂をすぎると一気に新緑の森へと変わり、涼しげな早春の雰囲気から一変、初夏の陽気を感じながらの帰還となりました。