①鳥原山経由コース(大朝日岳まで8時間)

◆参考データ

登山ルート

朝日鉱泉→鳥原山登山道→金山沢→鳥原山避難

小屋(木道)→鳥原山山頂→小朝日岳→熊越え

→銀玉水→大朝日岳避難小屋→大朝日岳山頂

ルートタイム  登り:8時間 下り:6時間
距離 片道:11.5km
水場

・弘法水…朝日鉱泉から10分の登山道に出ている湧水

・金山沢…鳥原山登山道中間の大きい沢(大雨時には

     増水するため利用不可)

・鳥原避難小屋前…盛夏時は小屋の玄関前の蛇口から

         利用可能。蛇口から出なければ小

         屋手前の沢で給水可能

・銀玉水…朝日連峰で一番美味とされる水。6月下旬

     くらいまでは雪に埋もれ利用できない場合

     が多い。出ている時は必ず汲むべし!

・金玉水…避難小屋の裏から中岳方面の縦走路を10分

     ほど行ったところにある水場。

 
 
 

◆参考行程解説

 現在のいわゆる「日本百名山」を選定した深田久弥氏も登った、朝日鉱泉から大朝日岳への登山のもっともオーソドックスでポピュラーなルートです。森、花、湿原、景色と見どころ満載で、たくさんの方に愛されています。

 朝日鉱泉下のつり橋を渡り、弘法水の水場の先の杉林を抜けたところの分岐(木柱看板あり)から右へ登り始めます。この最初の急登が最もきついかもしれません。ジグザグに約30分我慢して登りましょう。しかし、この辺はミズナラの大木がたくさんあり、休憩して見渡す森は本当に美しいです。急登を終えると尾根道になり、三角点をすぎてさらに進むと、少し下って「金山沢」にぶつかります。山の中にしては大きな沢で沢幅は約5mです。大きな沢ですが水はきれいで給水可能です。平常時は岩を伝って、濡れずに渡ることができますが、大雨時には渡るのが困難なほど増水しますので注意が必要です。

鳥原山の池塘
木道そばにある池塘

 対岸からは再び登りに入り、この登りを終えると鳥原山の木道に入ります。湿原独特の雰囲気や植生を楽しみましょう。この木道では、他の登山道といくつか合流していますが、分岐には案内がありますので、確認して間違わないようにしましょう。ただ、大朝日を目指して案内通りに進むと、鳥原山避難小屋は通らずに進んでしまいます。鳥原山避難小屋には水場がありますので、必要な場合には寄っていくとよいでしょう。ほんの1~2分です。

 木道が終わりほどなくすると鳥原山山頂ですが、ほんの少し登山道から外れています。眺めは良いですが大したピークではありません。その後はいったん鳥原山を下り、登りかえして小朝日岳山頂を目指します。この登りは傾斜が結構きついのと、日陰になるために雪が遅くまで残り、残雪時には注意が必要です。

小朝日岳より大朝日を望む
小朝日岳頂上より大朝日岳を望む

 小朝日岳の頂上は小さいですが眺めは抜群です。鳥原山方向を背にして右から古寺山方面からの登山道とも頂上で合流しており、案内看板もないため、悪天候時や霧の時などには大朝日岳への登山道と間違わないように十分注意してください。

 小朝日岳の頂上からは一気に「熊越え」とよばれる鞍部まで下ります。途中、古寺方面からの巻き道と合流しますので間違わないように(案内看板あり)しましょう。この下りはかなりの傾斜ですので慌てずにゆっくり進みましょう。

最後の尾根道より大朝日を望む
最後の尾根道より中央に避難小屋、左奥に大朝日岳山頂を望む

 熊越えから先は、いよいよ最後の尾根道となります。正面に大朝日岳を見ながら、右奥に見えてくる朝日連峰の縦走路と山々、左には御影森山や中ツル尾根、そして多種多様な花が咲き乱れるお花畑と最高の時間を味わうことができるでしょう。6月終わり~7月初旬には、ヒメサユリが咲き誇ります。尾根道を進むと最後の給水場の「銀玉水」がありま

大朝日登山道。銀玉水前
6月初旬の銀玉水の案内看板前。正面の残雪斜面が登山道。

す(案内看板あり)。朝日連峰一美味しい、もしかしたら日本一?美味しい水ですので、ぜひ利用しましょう。ただ、6月下旬まで残雪で埋もれていることがありますのでご注意ください。また、銀玉水の看板前の登山道は急斜面になっていて、6月下旬まで雪が残ることもありますので、こちらも注意が必要です。 

 これを登りさらに進むと、やっと大朝日岳避難小屋(写①)に到着です。せっかくなので小屋の前にある鐘を鳴らしてみてはいかがでしょう?しかし、大朝日岳の頂上は避難小屋の裏から約20分登ったところですので、同じルートを戻る方は避難小屋に荷物を置いて、空身で踏破すると良いでしょう。大朝日岳の頂上は、やはり朝日連峰最高峰の名に恥じない、最高の眺望を与えてくれるはずです。

 余談ですが、大朝日岳避難小屋には水場はなく、一番近い水場は小屋から片道10分の「金玉水(きんぎょくすい)」になります。小屋の裏手、中岳方面(写②)にあります。

 また、大朝日岳の山頂からは中ツル尾根方面、平岩山・御影森山方面、大朝日岳避難小屋方面と3つの登山道がありますが、大きな案内看板はなく、頂上にある石柱に書いてあります(写③)ので、しっかり確認し間違わないようにしましょう。

大朝日岳避難小屋
写①:大朝日岳避難小屋の内部
朝日連峰登山道 中岳方面への縦走
写②:避難小屋裏手の中岳方面への縦走路。右斜面の残雪地が金玉水

朝日連峰登山道。大朝日頂上の石柱
写③:大朝日岳山頂の石柱。各コースの方向を間違わないように注意!